メディア運営担当者、ブロガーにとって非常に重要なトピックであるGoogleのアルゴリズムアップデート。
過去に大きなアップデートでいうとYMYL(Your Money Your Life)に関する改変が非常に大きな波紋を呼びました。
アップデートの背景にある要因はいくつかありますが、一番の要因といっても過言ではないのが【収益を目的とした似非記事、似非ブログ】の氾濫。
あたかも利用しているような内容の記事内容を書きアフィリエイト収入を得ていたり、根拠のない情報をコンテンツに反映させていたりと検索結果で出てくるのはそのような記事ばかりでした。
SEOも今ほどユーザーファーストではなく、テクニック要素が多かったためそのような記事やサイトが上位に表示させることが可能だったのです。
そこから幾度かのアップデートが行われ、今現在よく行われるSEO対策が
- 上位10記事に記載されている情報+独自の情報
- オススメ系はとにかくたくさん
- ものすごく大量の文字
といったもの。
オススメ系は50選や100選といった「本当にそれ見て触ってのオススメなの?」、「ただの一覧で中身スカスカじゃん」というような記事ばかりです。
(主に企業が単純にお金のためにやっていることがほとんどな気がします。)
大量の文字に関しては「これ主題に関係ない内容まで書いてるけど…」というようなものばかり。
私はこのような状況に対して【将来必ずこういう中身がない記事はランク外に飛ばされ、より一層ユーザーファースト、独自性が求められる】と考えていました。
それを意識しメディアルネッタを立ち上げて更新していたところ、Googleのアップデート情報を目にしました。
Helpful Contet Update
2022年8月18日のアップデート内容は以下の通り。
※翻訳サイトDeeplにて翻訳をしております。
Googleのお役立ちコンテンツアップデートについて、クリエイターが知っておくべきこと
ブックマーク_ボーダー
2022年8月18日(木)Google検索は、人々をより有益な情報につなげるために常に努力しています。このため、「お役立ちコンテンツ アップデート」と名付けたアップデートを開始します。これは、人々が人々のために書いたオリジナルのお役立ちコンテンツを、検索結果でより多く目にできるようにするための幅広い取り組みの一部です。以下では、このアップデートの詳細と、クリエイターが考慮すべき点について説明します。
人間優先のコンテンツにフォーカスする
お役立ちコンテンツのアップデートは、訪問者が満足のいく体験をしたと感じるコンテンツがより高く評価され、訪問者の期待に応えられないコンテンツはより良いパフォーマンスを得られないことを目的としています。このアップデートに対応したコンテンツを作成するには、どうすればよいのでしょうか?検索エンジンのためではなく、人々のためにコンテンツを作成するという、私たちの長年のアドバイスとガイドラインに従うことです。人間優先のコンテンツ制作者は、満足のいくコンテンツを作ることを第一に考え、同時に、検索者にさらなる価値をもたらすためにSEOのベストプラクティスを活用するのです。以下の質問に「はい」と答えた方は、ピープルファーストのアプローチで正しい道を歩んでいると言えるでしょう。
あなたのビジネスやサイトには、既存の利用者、または利用を検討している利用者がいて、その人たちが直接アクセスしてきた場合、コンテンツが役に立つと思うか?
コンテンツは、専門知識や深い知識(例えば、実際に製品やサービスを使用したことや、ある場所を訪れたことから得られる専門知識)を明確に示しているか?
あなたのサイトには、主な目的や焦点がありますか?
コンテンツを読んだ人は、自分の目的を達成するために、そのトピックについて十分な知識を得たと感じられるか?
コンテンツを読んだ人は、満足のいく体験ができたと感じられるか?
コアアップデートと製品レビューのガイダンスに留意していますか?
検索エンジンのためにコンテンツを作成するのは避けましょう
GoogleのSEOガイドに記載されているようなSEOのベストプラクティスに従うことが、人間優先のアプローチであるというアドバイスを無効とするものではありません。SEOは、人間優先のコンテンツに適用される場合、有用な活動です。しかし、主に検索エンジンのトラフィックのために作成されたコンテンツは、検索者が満足できないと感じるコンテンツと強い相関関係があるのです。検索エンジンファーストのアプローチをとらないようにするにはどうすればよいのでしょうか?いくつかの質問、またはすべての質問に「はい」と答えた場合は、サイト全体のコンテンツ作成方法を見直すべきという警告サインです。
そのコンテンツは、人間向けではなく、主に検索エンジンから人々を引きつけるためのものでしょうか?
検索結果で上位に表示されることを期待して、さまざまなトピックのコンテンツを大量に作成していませんか?
多くのトピックについてコンテンツを作成するために、大規模な自動化を使用しているか?
他の人が言っていることを要約して、あまり価値を付加していませんか?
既存の読者のために書くのではなく、単にトレンドになりそうだからという理由で書いていませんか?
あなたのコンテンツは、読者が他のソースからより良い情報を得るために再度検索する必要があると感じるようになっていませんか?
Googleが好む単語数があると聞いたり読んだりして、特定の単語数で書いていませんか? いいえ、そんなことはありません)。
ニッチなトピックに参入しようと思ったのは、本当に専門知識がないからではなく、主に検索トラフィックを獲得できると思ったからですか?
製品、映画、テレビ番組の発売日が確定していないのに、その発売日を示唆するなど、実際には答えのない質問に答えることを約束したコンテンツになっていませんか?アップデートの仕組み
アップデートは来週から展開される予定です。アップデートが開始され、完全に展開された時点で、Google ランキングの更新ページに掲載します(最大で2週間かかる可能性があります)。このアップデートでは、ウェブページをランク付けするための他の多くのシグナルの中で考慮する、サイト全体の新しいシグナルが導入されます。当社のシステムは、価値の低いコンテンツ、付加価値の低いコンテンツ、検索に特に役立たないと思われるコンテンツを自動的に識別します。役に立たないコンテンツが全体的に比較的多いと判断されたサイトでは、役に立たないコンテンツだけでなく、あらゆるコンテンツが検索で上位に表示される可能性が低くなり、ウェブ上の他の場所に表示するのに適したコンテンツがあることが想定されます。このため、役に立たないコンテンツを削除することは、他のコンテンツのランキングを上げることにつながります。
当然の疑問として、役に立たないコンテンツを削除した場合、サイトのパフォーマンスが向上するまでにどれくらいの時間がかかるのでしょうか?このアップデートによって特定されたサイトには、数カ月にわたってシグナルが適用される可能性があります。このアップデートの分類器は継続的に動作するため、新しく開設されたサイトも既存のサイトも監視することができます。長期的に役に立たないコンテンツが戻ってこないと判断されると、分類は適用されなくなります。
この分類のプロセスは、機械学習モデルを使って完全に自動化されています。手動アクションでもなければ、スパムアクションでもない。むしろ、新しいシグナルであり、Googleがコンテンツをランク付けするために評価する数多くのシグナルのひとつに過ぎないのです。
つまり、役に立たないコンテンツと分類されたサイトでも、そのピープルファーストコンテンツが役に立つものであり、クエリに関連していることを示す他のシグナルがあれば、上位に表示される可能性があるということです。また、このシグナルには重みがあり、役に立たないコンテンツがたくさんあるサイトの方が、より強い効果を実感できるかもしれません。いずれにせよ、最善の結果を得るためには、役に立たないコンテンツを削除し、すべてのガイドラインに従っていることを確認する必要があります。
このアップデートは、まず全世界で英語の検索に影響を与えますが、将来的には他の言語にも拡大する予定です。また、今後数カ月の間に、役に立たないコンテンツを検出する分類法の改良を続け、人間優先のコンテンツをより良く評価するためのさらなる取り組みを開始する予定です。
このアップデートに関するフィードバックは、ヘルプフォーラムのこのスレッドにコメントすることができます。お客様のサイトに固有のフィードバックをお寄せいただく場合は、このアップデートのフィードバックフォームをご利用ください。皆様からのフィードバックは、当社のエンジニアがシステム全体を改善するための参考とさせていただきます。
ものすごく簡単にまとめると、「SEOのために構成、作成されたコンテンツはAIで見つけ次第記事だけじゃなくサイト自体圏外に飛ばしますよ」ということ。
まずは英語検索が対象ですが、もちろんどんどん水平展開されていくのは明らかでしょう。
現状のSEO対策が意味をなさなくなるだろう
このアップデートが日本でも適用されれば、今行っているSEOが意味をなさなくなるのでは?と考えています。
キーワードの盛り込み、ペルソナといった基本であり最重要な要素は検索エンジンという性質上今後も変わらないでしょう。
しかし検索エンジンファーストの施策を行っているWEBサイトは【人間に向けたコンテンツではない】と判断される可能性が高くなり、アップデートのタイミングで一気に1位から圏外になるのではないでしょうか。
検索結果トップ10位をまとめた記事
記事を上位に表示させるには、PV数を増やすには、などアクセスアップに関することを検索すると、
- 上位10記事に書いてある内容は網羅したほうがいい
- 検索結果トップにある記事ジャンルをよく見るべし
- 何のキーワードが使われているか
と出てきますが、この検索結果にフォーカスした分析や施策はアップデート後あまりSEO的に意味をなさなくなるのではないでしょうか。
結局検索結果10位と同じ内容を書いた記事は【役に立たないコンテンツ】と判断される可能性があり、記事だけでなく掲載しているWEBサイト自体の評価を下げる可能性があります。
プログラム的にどう解析するのかはわかりませんが、離脱率や滞在時間といったところで判断されそうなので、オリジナリティや読み手を引き付けるライティング力がより一層求められそうです。
オススメ選抜系記事はランク外
私が個人的にイラッとする記事第1位です。
どういったアイテム、ツールがいいか調べたとき、根拠も信ぴょう性もなにもないたたアマゾンや楽天に出てくる商品をまとめた記事が上位にでてきます。
おそらく私以外にも同じように感じている人はいると考えられ、こういった記事も評価を下げる要因になってきそうです。
10選はまだ執筆者が選抜していそうですが、50選や100選はもう謎です。
何買っていいかわかりません(笑)
どうかGoogle様にはランク外に飛ばしてほしいところです。
どういう記事が求められるか
イチライターとして常日頃考えているのは、【結局読み手は何がしたく、何が有益か】です。
今回の発表を受けてより一層ここを強く意識する必要があるなと思い知らされました。
ではどういった記事がいいのか。
参考までに私が今考えていることを書きたいと思います。
自身の知見や経験を反映させたもの
自分自身が見て、感じ、思ったことや実際にあったことといった【ほかの人が経験、体験できないこと】の価値が増していくと考えています。
例えばコーディングで発生したトラブルや不具合はあなただけが得た経験と知識です。
それをコンテンツ化することで同じような境遇の人にとって非常に有益な情報になります。
特に検索しても出てこない、経験でしか手に入らない内容は最強の一次性の情報、記事。
アクセスアップ、収益アップを狙うとしたらこういった記事を常にアップし続けることが重要になってくるでしょう。
誰にでも書けない内容の記事
上記の内容と重複しますが、誰にでも書ける記事はサヨナラされる可能性が高いと考えます。
子育て関係、地元に関すること、旅先での出会い。
家にいながらかけるような記事の価値は下がっていくと考えています。
ブロガーや企業メディアは大打撃を受ける可能性あり
企業メディアや大きなメディアは記事執筆のほとんどを外注へ依頼しています。
そうなると何が起きるかというと、外注ライターは【Googleで検索して出てきた情報をもとに執筆する】のです。
同じような内容の記事をいろんなメディアで見るのはこのためです。
今回のアプデの内容で気になっているのは、あるサイトで高い評価を受けた記事があったとき、それと似たような構成と内容の記事が別サイトの場合どうなるのか、ということ。
もし高い評価を受けれるのであればそこまでダメージは受けないと思いますが、仮にパクリ判定があったとき相当被害は大きいことが予想されます。
今後企業メディアの在り方が問われるタイミングがきそうです。
今後の動きに注目と要注意
今のところ大きな変動があったという情報はTwitterを見ていてもありませんが、どんどん改良されていき最終的にYMYLの時のように大変動になる可能性もあります。
これから作成するコンテンツはアップデートに備えて作成していき、記事とブログ、メディア全体の価値を高める施策をとりましょう。
GoogleはInstagramやTwitterといったSNSプラットフォームで検索するユーザーが増えていることに危惧し、どんどんなんらかのアップデートをしていくでしょう。
プラットフォームに振り回されるのは大変ですし、考え物な部分もありますが利用者としては柔軟に対応していかなければなりません。
常にアンテナを高くして素晴らしい記事、コンテンツを作成していきましょう。