この日本では、社会人として入社した企業において定年まで働き続ける「終身雇用」と呼ばれる制度が、高度経済成長期からの働き方として長い間定着してきました。
しかし、昨今の社会情勢の変化やIT技術の進化の影響により、1つの企業にのみ属し勤め上げるという働き方は古いものとなりつつあります。
実際、2019年には日本トップクラスの自動車メーカーであるトヨタ自動車社長が、「終身雇用を守るのは難しい」といった発言をしております。(参考:日経ビジネス)
これまでは1つの企業に勤め、1つの企業からのみ収入を得るという働き方が通常でしたが、これから先の時代は勤めている企業からだけではない、第二の収入の柱が必要です。
そして、勤め先以外からの収入を「副業」と呼び、昨今様々なメディアが発信している内容を耳にした方も多いでしょう。
本記事ではそんな副業について、営業職として勤めているかたにとっておすすめする内容となっております。
是非最後までご覧になってください。
実は営業職は副業で稼げるチャンスが多い
「副業」として、収入の柱を作る時に、まず考えることの1つとしてはアルバイトがあるでしょう。
しかし、アルバイトといった雇用形態は結局、時給制の時間労働となり、長い目で考えた時に続けられるものでもありません。
さらに、貴重な週末を使ってまで働いてしまえば、身体を壊す可能性はもちろん、家族と過ごす時間も減っていってしまいます。
「そう言っても、自分に特別なスキルは無いし…」
「ずっと営業しかしてこなかったから、これ以外に何もできない…」
「営業力には自信があるけど、売るものが無ければ何もできない…」
サラリーマンとして営業職に携わっている方の多くは、副業をするにあたって上記のように考える方は多いのでは無いでしょうか。
しかし、実際にはそのような考えは違うということに気が付くべきです。
営業職は、勤めている自社の商品やサービスを販売するために、各顧客との顔つなぎをするなど、高い対人スキルが求められる職種です。
そして、すべての商売活動の始まりは、「営業」から始まるのです。
つまり、既に営業力を身につけている営業マンは、売り込むものさえあればどのような業界、商品でも実績に繋げることができるでしょう。
営業の際に覚えておくと便利なテクニックを【営業で最低限必要なスキル】営業マンが覚えておくべき10のテクニックでまとめておりますので、ご覧ください。
なぜ営業職にチャンスが多いのか
「営業能力」は副業において、非常に有利です。
その理由は前述したように、売り込むものさえあればどのような業界、商品でも実績に繋げられるという点や、対人スキルにあります。
ここからは、なぜ営業職は副業で稼げるチャンスが多いのかという点について、詳しく解説していきます。
具体的に、以下の3点に分けて見ていきましょう。
- 既に顧客リストがある
- 営業を求めている企業や案件が多数
- 稼ぐ始まりはすべて営業から始まる
それぞれ詳しく解説していきます。
既に顧客リストがある
ビジネスにおける、顧客リストの重要性についてご存知でしょうか。
その重要性については、以下の話が参考になるはずです。
「江戸時代の商人は、屋敷が火事になると、真っ先に顧客台帳(リスト)を井戸に投げ込んでから外に逃げ出した。さらに、当時の顧客台帳は特殊な紙でできていたので、水に濡れても文字が消えなかったのだ。」(参考:DIAMONDonline)
この話からも分かるように、江戸時代の商人は顧客リストがビジネスにおける最も重要な資産として考えていたのです。
なぜなら、信頼関係を構築した顧客がいれば、どんな状況でも再度販路に繋げることができるからです。
現代では顧客台帳ではなく、名刺やメールアドレスなどがあげられるでしょう。
さらにその先の担当者やキーマンとの繋がりといった人間関係が、ビジネスにおける資産となります。
日頃から営業活動をおこなっている営業マンにとっては、自身が身を置いている業界の繋がりについては、非常に高い資産価値を持っているはずです。
副業において、その繋がりを使わない手はありません。
「1から関係構築して、これから売り込んでいこう」と考えている営業マン達の、何歩も前を既に歩いている状態なのです。
もちろん、本業で得た情報や知識をそのまま副業で使用してしまうと問題になるケースもあります。
情報の取り扱いには十分注意した上で、適切に使用することができれば、これほど有利な武器はないでしょう。
営業を求めている企業や案件が多数
単に「副業」と聞いてイメージするものは、IT関連の技術提供や転売などが思い浮かぶかもしれません。
しかし、「営業活動」自体を副業にすることができます。
近年では総務や経理といった管理系の職種だけではなく、営業を外注している企業が増えてきているのです。
なぜなら、スタートアップの起業数が増加傾向にある現在、自社で営業部門を抱えていないケースが多々あるからです。
他にも、営業部門はあるが、人材不足で想定通りの営業活動がおこなえていないケースなど、とにかく営業マンの数が足りておりません。
そのような企業が、自社商品やサービスの売り込みを代行して欲しいといった「営業代行」という案件を多く募集しているのです。
営業マンは経験を積めば積むほど、顔の広さだけで雇ってもらうことも可能な職種です。
例えば、自社の売り込みが弱い方面に顔が利く他社の営業マンを、定年後に自社の顧問や役員として迎え入れるケースもあります。
そのように、自分が得意とする業界において、営業代行の案件が出ていれば強みを活かした活動ができるはずです。
「営業代行 副業」などで検索してみれば、多くの案件がヒットします。
一度、その中から応募してみることをおすすめします。
稼ぐ始まりはすべて営業から始まる
営業の始まりは古く、商売が始まる瞬間には存在していたと言っても過言ではないでしょう。
まだ金銭のやり取りがなかった時代の商売は、物々交換が主流でした。
そんな時でも、自分の持っている物がどれだけ優れているかアピールする必要はあったはずです。
そのアピールこそが、まさに営業活動と言えます。
つまり、営業がなければ経済活動自体も成り立たないのです。
営業マンは多くの場面で、「自分は営業しかできない」と卑下することが多々あります。
しかし、営業ができるということは、非常に素晴らしいことであると覚えておきましょう。
副業に力を入れる5つの理由
それでは、営業マンがなぜ副業に力を入れた方が良いのでしょうか。
ここからはその理由について、以下の5つに分けて解説していきます。
- 営業能力アップに直結する
- 営業能力は引く手数多
- 営業ができないと稼げない
- 将来起業や独立に繋げることも可能
- 他業界を知ることで本業に活かせる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①営業能力アップに直結する
本業以外で営業活動をおこなうことで、当然のことながら自身の営業能力アップに直結するでしょう。
同じ企業で営業していると、転勤や担当変更など小さな変化はあっても、次第に慣れてきてしまい、大きなトラブルもこれまでの経験からある程度は難なく対処することができてきます。
しかし、初めて売り込む商品やサービス、さらに初めての顧客が相手となると、新人の頃のような新鮮な気持ちで営業活動をおこなうことができるでしょう。
本業では、良い意味で惰性で進められる商談も、副業でおこなう時は事前に話しの流れを考えることや、商品のアピールポイントを洗い出す必要があるでしょう。
そんな経験が、自身の営業能力の底上げに直結することは間違いありません。
さらに、営業代行の案件を出している企業は、多くの場合で即戦力を求めています。
そして、実際に営業をおこなった結果、どのような情報が仕入れられたか、どのような意見を顧客から拾い上げることができたかなど、新しい情報を得ることも期待しています。
ですので、顧客からの厳しい意見や失敗談も重宝されることが多いでしょう。
本業の営業の場合、商品やサービスにもよりますが、なかなか失敗談を求められることは少ないでしょう。
しかし、スタートアップ企業が多い営業代行だからこそ、ご自身の豊富な営業経験を活かして、あらゆる側面から営業能力を提供することができるはずです。
そこで得た経験は、そのまま本業の営業活動にも活かすことができ、結果的には能力アップ、ご自身の市場価値を高めることにも繋がります。
営業マンは持ち物でも客先からの評価は変わります。
【営業マン向け】上場企業の元営業が選ぶ!オススメ道具12選を紹介!で営業マンが持つべき道具をまとめていますので、ご覧ください。
②営業能力は引く手数多
営業は足で稼いでくるや、接待中心の生活になるなどと言った、どうしても古臭いイメージがあるかもしれません。
しかし、コロナ禍が落ち着きつつある2022年現在の転職市場において、営業職が注目されていることはご存知でしょうか。
これまでは総合職として営業マンを多く採用していた企業が多かった中で、昨今は営業スキルの多様化、専門家が進んでいる傾向にあります。
つまり、これまでのように一括りに「営業」とカテゴライズし難くなっているのです。
しかし、以下の3つについてはどの業界で営業活動においても、普遍的に活かせるスキルです。
- セールススキル
- 業界知識・商品知識・顧客理解
- ビジネスコミュニケーション
そして、このような業務の大半は、まだまだITツールやAIで代用することが難しい分野です。
営業活動の軸は、コミュニケーションが根底にあります。
人間にしかできない仕事は、どの業界・分野でもありますが、営業職の場合は業務のほとんどがその部分にあたります。
さらに前述したような、スタートアップ企業での営業マン不足などの要因も重なり、営業能力はどの業界でも引く手数多と言えるでしょう。
③営業ができないと稼げない
営業経験が長い人ほど、「営業経験の何をアピールすれば良いのか分からない」と考える傾向にあります。
しかし、営業は前述したように、「稼ぐという活動の始まり」にあたります。
そして、以下のような営業力を持っている人材は非常に貴重です。
- コミュニケーション力
- 提案力
- 交渉力
コミュニケーション力は、相手との信頼関係を構築する力です。
相手がどう考えているのか、どう感じているのかなどを会話の中で表情や声色から考え、適切な答えを返します。
提案力は、相手の求めている事柄に対してどう応えるか、相手の悩みをどう解決するかといった内容を提示する能力です。
特に、売り込んでいる商品やサービスのメリットだけを伝えても、押し売りのような形になる上、どうしても怪しく見えてしまうもの。
そうならないためにも、まずは相手の要望をヒアリングした上で、適切な提案をおこなう力が必要となります。
そして、交渉力とは顧客と自身の両者が納得できる形で、料金や納期などの最終的な契約内容を締結させる力です。
お互いに意思疎通した上で、妥協点を見つけていく作業になりますので、信頼関係も必須となります。
また、社内調整も必要となりますので、各方面への対応力や情報伝達力も同時に必要となるでしょう。
このように、複合的な能力が求められますが、営業ができないと稼げません。
どのような素晴らしい商品、サービスであっても営業活動により世に知られなければ、存在しないことと同じなのです。
④将来起業や独立に繋げることも可能
企業に勤めていると、上司からの理不尽な指示や顧客からの急な依頼やクレームなど、日々頭を悩まされることも少なくないでしょう。
しかし、「サラリーマンとして生活していく上ではこのようなことは仕方ない」と考えていませんでしょうか。
本業の営業を活かした副業を継続しておこなうことで、将来的に起業や独立に繋げることも可能です。
内容は、大きく分けて以下の3つに分けられることが多くなります。
- 新規顧客の開拓
- ルートセールスの代行
- テレアポ代行
複数の企業から、上記の営業活動を請け負うことで、報酬を得ることになります。
副業でもおこなう活動に大きな差はありませんが、サラリーマンよりも副業に注力した方が儲かるというケースも珍しくありません。
そのような場合に、起業・独立は1つの選択肢として上がってくるでしょう。
しかし、起業するということは自身がその会社のトップになるということ。
事業が軌道に乗り始めれば、サラリーマン時代の給与を大幅に超えることも難しくないかもしれません。
そして、従業員を雇用することになれば、その社員達の生活にも責任を持つ必要があります。
このように、良い面も厳しい面も持ち合わせている起業・独立ですが、本業以外の選択肢を持っているということは、精神面でも非常に楽になるのではないでしょうか。
起業をする、しないは別にしても、営業職が副業をおこなうことで、独立に繋げることも可能であることは、覚えておいて損はないでしょう。
⑤他業界を知ることで本業に活かせる
企業に勤めて営業活動をおこなっていると、どうしても属している業界の情報しか集まらないでしょう。
実際、それで何の問題も無いですし、自身の業界に詳しいことは大きな武器の1つとなるはずです。
しかし、他の業界から見た時、もしかするとその業界のやり方が古く時代遅れとなっている場合や、もっと良い方法が見つかったりと、新しい気付きを得ることも事実です。
その気付きは自分だけではなく、副業において商談で話す顧客にも同様のことが言えるでしょう。
自分では当たり前の情報や知識が、顧客にとっては新鮮で重宝されるというケースも稀ではないでしょう。
そういった情報交換で得た知識は、当然そのまま本業へ活かすことが可能です。
そして本業、副業における営業活動において、良い影響を与えることは容易に想像できます。
また、本業だけでは人間関係も閉鎖的になりがちですが、新しい出会いが続くことで世界が広がり、精神的なリフレッシュにも繋がるかもしれません。
このような内容から、他業界を知ることのメリットは多く、デメリットを見つける方が難しいかもしれません。
営業ができない人は稼ぐことは不可能
この記事で何度もお伝えしているように、営業ができなければ稼ぐことは難しいでしょう。
昨今はテレワークでの在宅業務も増えてきておりますが、在宅で仕事を獲得するためのメール文作成も立派な営業活動です。
クライアントの目を引く文章の作成、自身のスキルをアピールするための文章などが作れなければ仕事にも繋がりません。
さらに、仕事を獲得した後も小まめなやり取りやフォローも必要になってくるでしょう。
このように、とにかくどの業界、業態においても営業という仕事は商売の始まりであり、できなければ金銭が動くことも無いと言えます。
そんな営業が自然とできている皆さんは素晴らしいという点に気が付きましょう。
そして、副業にチャレンジして収入アップはもちろん、スキルアップと市場価値の向上に繋げていきましょう。
合わせてクロージングスキルを身に着けるとさらに稼ぐ力が身に付きます。
営業活動のクロージングで困っている人へ!使えるフレーズ一例を紹介!でまとめておりますのでご覧ください。
本業の収入アップに繋げよう!
営業マンが、副業をすることのメリットについてお伝えしてきました。
冒頭にもお伝えしたように、昨今は終身雇用の崩壊や副業ブームなどにより、「自分で稼ぐ」という力が非常に注目されています。
サラリーマンの営業の場合、どれだけ売上を上げたとしてもインセンティブが大きくない限り、自身の収入に繋がることは少ないでしょう。
しかし副業での営業の場合は、結果を出せば出すほど収入に繋がります。
これはある意味実力主義とも言えるかもしれませんが、副業で得た営業経験は本業にそのまま活かすことが可能です。
つまり、チャレンジすることで自身のスキルは間違い無く向上するのです。
「本業での営業も上手くいっていないし、副業なんてとても無理だ…」
このように考えていたとしても、チャレンジによって好転することも十分に考えられます。
まずは案件に応募するなど、少しずつ進めていってはいかがでしょうか。
本記事がお役に立ちましたら幸いです。