エネルギー問題や、ウクライナ戦争、燃料、様々な要因から電気代が凄まじい勢いで高くなっています。
2021年の夏は一般家庭で電気代が4~10万円かかった!なんてニュースに取り上げられたりもしていました。
大手電力会社も大きく値上げするという現実。
当初その情報を聞いて、「大手電力会社と契約しているところ、かつ都心部だけじゃないか?」なんて思っていたのですが、実はその真逆。
新電力会社と契約していたところほど大打撃を受けていました。
新電力会社の場合、電力を仕入れて販売するというビジネスなため、安いときは本当に安いのですが、上がるときは上がりやすいという特徴があります。
業界的にかなり大きなダメージだったため、多くの新電力会社がサービス停止しました。
そして、今年2022年(執筆時)。
大手電力会社は、今年も電気代が跳ね上がると考え、新電力会社からの変更受付を止めるという処置を取りました。
このまま指を加えて高い電気代を支払い続けなければいけないのでしょうか?
燃料費高騰が引き金になっているとはいえ、給料も賃金も上がらない社会。
黙って無策で高い電気代を払っているのは賢い選択肢ではありません。
そこで本記事、及び本ジャンルでは
- 電気代を抑えるには何ができるか
- 自分で電気を作れないか
- 太陽光発電は実際のところどうなのだろう。
という身近な電気に触れて記事を書いていきたいと思います。
太陽光パネル設置にはリスクがついてくる
震災以降一気に広がった住宅向けの太陽光発電設備。
普及の背景には大手電力会社の電力買取価格が非常に大きく、設置から10年で回収できるというシミュレーション、セールストークが流行ったからでした。
今では買取価格は大きく下がり、太陽光パネル設置コストを回収することが困難になりました。
また自己消費で電気代を抑えるということも、蓄電性能がそこに追いついていないため、貯めて使うということができません。
メーカーのシステム、パッケージでは蓄電セットモデルもありますが、蓄電池の定期交換や保守メンテナンスを考えると少々難しいのが現実です。
また他にも太陽光パネルの設置には主に3つの問題があります。
屋根の損傷による雨漏り
大きな問題になっているのが、太陽光パネル設置が原因による屋根の損傷、雨漏りに繋がっているトラブルです。
住宅にかけている火災保険で修復できると思っていたのにできない、施工業者の保証で修復してもらえると思っていたが対応してもらえない、このようなトラブルが全国で起きています。
一生住む自宅で雨漏り。
メンタルに大きなダメージを追うだけでなく、修理修復するのに高額な費用がかかるため、ただ事では済まされません。
施工業者の質や腕にもよるため、一概に太陽光設備のせいとは言えませんが、太陽光設備に起因している可能性が高いと考えるのが妥当なところです。
こういったケースを防ぐためにも、事前の契約書や既にかけている住宅火災保険をしっかり確認するようにしましょう。
太陽光パネルと蓄電池設置にはスペースが必要
ソーラーパネルで発電した電気を非常時に使うためには蓄電池(バッテリー)が必要です。
実はこの蓄電池が少々厄介で、「太陽光設置しませんか?」とくるメーカー、施工業者の多くは既に決められたセット、仕様になっており、蓄電システムの可否、可能だとしてもモデルや仕様が決まっています。
そのためサイズも柔軟に変更することができないため、「置く場所がない」という重大トラブルに繋がる可能性もゼロではありません。
発電量を確保するための【太陽光パネル設置スペース】もそれなりに大きな面積で必要です。
だからデッドスペースである屋根を使った設計思想が基本です。
ここ最近一般住宅の小型化が進んできているため、将来屋根のスペースだけでは足りなくなるかもしれません。
余談ですが、スペースの問題なのかわかりませんが、玄関のある真正面にパワコンがついているご自宅がありました。
私が設計施工するときは絶対意匠を邪魔しない箇所への設置で設計します。
パワーコンディショナーの耐久性
各メーカー10年保証になっている機種が多いですが、10年間問題なく動くケースが意外と少ないという問題があります。
もちろん保証内であればメーカーが対応してくれますが、故障内容や原因によっては対応してくれないケースもあります。
パワコンは安くない機器のため保証外のトラdブルが起きた際の損失は非常に大きいものになってしまいます。
震災直後から比べるとパワコンの耐久性も性能もかなり上がっていますが、油断はできません。
バッテリー(蓄電池)問題
パワコンに引き続きバッテリーも同じような問題があります。
バッテリーの場合、パワコンと違って定期交換周期があるため、維持費や交換に費用が掛かってしまうという難点が潜んでいおり、数年に一度数十万円の出費が発生するリスクがあります。
太陽用発電用でメーカーが納品するバッテリーは高い上に、交換時の推奨バッテリーも高く定期的に家計と相談しなければいけない時期が来てしまいます。
非常時、災害時のために必要なもの。交換しないわけにはいきません。
いざというときに使えない設備はただの○○だ!!!
いくら高いとは言いつつも、やはり交換しないわけにはいかず、非常に悩ましい設備の一つになっています。
この問題を解決できないか、はたまた別のシステムやパッケージモデルを構築できないかを我が自宅を犠牲にし実験検証を行っています。
従来の設計思想は難しいのかもしれない
日本の場合全てにおいて他国、輸入依存しているため、ウクライナ戦争やコロナといった世界レベルの問題が発生したとき、もうどうしようもなくなってしまいます。
屋根にパネルを設置して、パワコンと専用蓄電池を置く。
まだまだ改善の余地はあり、営業マンや太陽光メーカーの言いなりになっていては損をしてしまうかもしれません。
もっと太陽光発電設備のビジネスは、在り方や形を崩して、柔軟な設備にした形を構築し、コストを下げていける分野だと感じています。
まだまだ電気代が上がる一方。
いよいよもって、個人単位で再生可能エネルギーに対して本気で考えないといけない時代になってきています。