コロナ以降様々な補助金や助成金が、国や自治体より発表されてきました。
ソーシャルディスタンスから、多くの補助金や助成金が電子申請対応になり、企業や事業者側も対応必須になりました。
そんな中、補助金や助成金申請を行おうとすると【GビズID】を求められるケースがあります。
初めて聞きました、という人も多いと思います。
コロナ以降かなり大きな金額の補助額を出している事業再構築補助金やものづくり補助金は電子申請(jGrantsで行う)のみでの受付となっているため、GビズIDが必須になっています。
今まで補助金や助成金の申請を電子でやったことがない、自分でやらずに士業さんへお願いしていた、などの場合だと
- GビズIDって初めて聞いた
- どこに連絡すればいいのかわからない
- どういう時使うのか
という社長、代表の方が多く認知度は低く感じています。
事業計画書の作成を請け負っていますが、本当に多いです。
そこで本記事では中小企業の社長、代表、個人事業主、企業担当者に向けて現役社長の私が
- GビズIDとはなにか
- GビズIDを使うとなにができるのか
- GビズIDのメリットとデメリット
について解説していきます。
申請、取得しておけば今後も活用の機会は非常に多いため、ぜひ理解を深めていただければと思います。
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GビズIDとはなにか
GビズIDは、デジタル庁が提供と運営を行っている行政に関する電子申請サービスの一つです。
よく使う場面として多いのが、法人(企業)や個人事業主が補助金や助成金を受給するとき。
例えば事業再構築補助金やものづくり補助金の申請では、GビズIDを使った電子申請のみ受け付けているため、GビズID取得は必須になっています。
有効期限や年度更新の必要はなく、一度取得すれば法改正やルール改正などがない限り使い続けることができます。
申請、取得費用は必要ないため開業届け、登記完了後すぐの申請をオススメします。
GビズIDを使ってできる3つのこと
GビズIDは大きく3つのサービスで使用していきます。
- 国が提供している補助金、助成金の電子申請
- 各省庁が提供している行政サービス
- 各件自治体が提供している行政サービス
それぞれ詳しく解説していきます。
補助金、助成金の電子申請
コロナ以降国が力を入れている事業再構築補助金や、ものづくり補助金の申請はGビズIDを使った電子申請となっています。
他にも小規模事業者補助金の申請や各種様々な補助金、助成金の申請で使用することが可能です。
現在の行政の流れを見る限り、今後出てくる補助金や助成金は、GビズIDでの電子申請受付になると予想されます。
ものづくり補助金についてはものづくり補助金の申請方法と公募内容を徹底解説!で詳しく解説していますので、ご覧ください。
電子申請かどうかで受給金額が変わる可能性もあります。
省庁が提供している行政サービス
GビズIDがあることで各省庁が提供している行政サービスの申請やログインに使うことが出来ます。
- 中小企業庁:IT導入補助金2022
- デジタル庁:e-Gov、jGtants
- 農林水産省:一元的な輸出証明書発給システム
- 金融庁:金融庁電子申請・届出システム
- ねんきん加入者ダイヤル:社会保険手続きの電子申請
- 厚生労働省:食品衛生申請等システム
- 国土交通省:賃貸住宅管理業登録等電子申請システム
他にも多数ありますので、詳しくはGビズIDで利用できる行政サービス一覧(省庁・自治体)をご覧ください。
自治体が提供している行政サービス
GビズIDは国のサービスですが、各県自治体でも対応している行政サービスがあります。
まだまだ限られた自治体、サービスですが、これからどんどんDX化が加速していくため、GビズIDで対応可能な行政サービスが増えていくと予想されます。
- 山形県米沢市:電子申請サービス
- 茨城県:いばらき電子申請・届出サービス
- 茨城県大手町:大子町電子申請届出書システム
- 栃木県:栃木県地域企業感染症対策支援補助金総合サイト
- 新潟県:新潟県電子申請システム
- 三重県四日市市:四日市市電子申請システム
- 広島県三原市:三原市電子申請サービス
あなたの県や市が対応しているかどうかは、GビズIDで利用できる行政サービス一覧(省庁・自治体)より確認できます。
GビズIDを発行する5つのメリット
今はまだGビズIDがなくても、従来通りの申請や手続きで補助金や助成金を受給できていますが、どんどん行政サービスは電子申請に移行してきています。
「今はまだ必要性を感じていないな」
と感じていても、GビズIDには大きく次のメリットがあります。
- ミラサポplusがより便利に使えるようになる
- 24時間365日いつでも申請可能
- オンライン申請で待ち時間をなくせる
- 申請に必要な費用を削減できる
- GビズIDがあればほとんどの行政サービスにログインができる
すぐに使う予定がなくても、持っていて損はなく、いざ使うという時すぐに使えるため、メリットを確認して申請を検討してみてください。
ミラサポplusをより便利に使えるようになる
ミラサポplusは、中小企業庁が行っている中小企業支援サービスです。
ホームページで内容の閲覧と利用は可能ですが、ミラサポplusへ会員登録することで、より便利かつ強力な支援を受けることが出来ます。
会員登録はGビズIDの取得が必須。
受けられる支援や機能はどれも中小企業にとってありがたいものになっていますのでぜひGビズIDを取得し登録しましょう。
- 補助金申請などの電子申請で入力する情報の連携で、会社情報や代表情報、財務状況を自動転記することができる
- e-Taxや過去に申請したものからの情報取得
- 財務情報を登録することで診断チャートを見ることが出来る
中小企業は専門家を雇う余裕がないので、非常に助かります。
いつでも申請手続きが可能
行政関係のサービスに申請するとなると、半日コース、最悪一日コースになってしまうことも当たり前にあります。
GビズIDを取得さえしていれば事務所でも、自宅でも申請手続きを行うことができます。
それだけでなく待ち時間もなければ、営業時間内に出向く必要もありません。
忙しい業務の合間で、いつでもどこでも重要な行政の手続きが可能なのは、経営者にとって最大のメリットです。
オンライン電子申請で待ち時間なし
先ほどと重複しますが、オンライン電子申請は役所などに出向かなければなりません。
GビズIDを取得することで、オンライン電子申請を行うことが可能になり、待ち時間をなくすことができます。
日々の業務に営業行為、付き合いなどで忙しい経営者にとって、オンライン電子申請というシステムは非常にありがたい存在です。
少しの慣れは必要ですが、覚えて損はありません。
申請に必要な費用を削減できる
従来の申請方法の場合、申請用紙と必要書類を郵送で送る必要があります。
そのため印刷代のほかに郵送代などの経費が掛かってきます。
僅かなコストではありますが、書類不備などがあると再度郵送で送らなければならないため、意外と経費がかかることも。
オンライン電子申請を使えば、余計な経費の削減だけでなく、不備があった際の手間も減らすことが可能です。
様々な行政手続きサービスにログインできる
GビズID一つで、多くの行政サービスにログインすることが可能になります。
市、県、国、各行政サービスごとにアカウントを作成する、作成したアカウントを管理する必要がなくなるため、【パスワードを忘れた人はこちら】ボタンを押す必要がなくなります。
滅多に使わないと高確率で忘れます。
それだけでなく、行政サービスによって財務情報や企業情報が連携されており、入力の手間も省けるメリットもあります。
GビズIDの5つの弱み、デメリット
一見取得すれば万能で、なんでも申請完了できると思ってしまいますが、実はGビズIDにも弱み、デメリットがあります。
- GビズIDだけで申請可能な手続きが少ない
- 発行手続きに時間がかかる
- SMS受信できる電話番号が必要
- 印鑑証明を提出しなければいけない
- ワンタイムパスワードを求められる
発行する、所持することに対するデメリットや弱みはありませんが、そういった性質があることを理解しておくことで、正しく運用することが可能になります。
GビズIDだけで申請可能な行政手続きが少ない
今現在GビズIDだけで申請が可能な行政サービスは少なく、他の電子申請サービスと併用して使う必要があります。
例えば事業再構築補助金の場合、GビズIDを使ってjGrantsにログインすることで申請を行うことが出来ます。
このようにGビズIDを使って、他の電子申請サービスを使うケースが多いのが現状です。
現状GビズIDは他の電子申請サービスにログインするためのアカウント、という立ち位置です。
発行手続きに時間がかかる
GビズIDには、GビズIDエントリー、GビズIDプライム、GビズIDメンバーの3種類があります。
事業再構築補助金やものづくり補助金など、重要で大規模なものほどGビズIDプライムのみの受付となっています。
しかしGビズIDプライムは申請後すぐにアカウントが開設できるわけではありません。
申請からGビズIDプライムが使えるようになるまで、約1~3週間ほど時間がかかるため、前もっての申請取得をしておく必要があります。
コロナのように、いつ、どんなときに、なにがあるか分からないため、開業届け受理、登記完了後すぐにでも申請しておくことをオススメいたします。
申請後、即日で使用することが可能になり、GビズIDマイページへログインすることができるようになります。
エントリーからGビズIDプライムへ切り替える際は、申請書を作成し書類審査を経て使用可能になります。
補助金や助成金の申請では使えないアカウントです。
法人や個人事業主が所有することが出来るGビズIDです。
書類申請から約1~3週間後に発行され、使用可能になります。
GビズIDプライムを持っている法人や事業者の従業員用アカウントです。
GビズIDプライムが許可している行政サービスのみ使用可能です。
申請にSMS受信可能な電話番号が必須
GビズIDの申請では、SMSを受信可能な電話番号とスマートフォンが必要です。
そのため管理者(代表)の携帯電話番号を使う、または専用の番号を準備する必要があり、会社の代表番号では対応することが出来ません。
GビズIDプライムの場合印鑑証明が必要
GビズIDプライムでは、申請時に印鑑証明を送付する必要があります。
すぐにでも申請する必要があるとき、印鑑証明を発行する手間はとても煩わしく感じ、ここが申請完了の壁になってしまっている部分もあります。
これこそ電子申請を希望します。
ログインの際都度ワンタイムパスワードを求められる
先ほど書いたSMSはログインする際に、ワンタイムパスワード送付で使用されます。
ログアウトした時はもちろんのこと、複数の行政サービスにログインするたび、パスワードが記載されたSMSが飛んできます。
従業員に資料作成や作業をお願いしている場合、SMS受信者が代表になっていると一気に大変になってきます。
セキュリティを維持するため、仕方ないないですが、法人代表の利用者として、SMS以外の方法を採用してほしかったところです。
Googleみたいにメールアドレスでもいいと思います。
GビズIDはすぐにでも取得しよう
GビズIDを持っていることで受けられる恩恵は非常に大きく、取得しておいて損はありません。
現状GビズIDだけで完了する行政サービスは少ないですが、今後どんどん増えていくことが予想されます。
個人事業主であれば開業届けが受理された後、法人であれば登記完了後、すぐにでもGビズIDの取得に向けて準備と申請をしましょう。
- 24時間365日いつでも、どこでも申請可能
- オンライン申請なので待ち時間をなくすことができる
- 多種多様な行政サービスのログインに使える
- GビズIDだけで申請完了するサービスがまだ少ない
- 申請から発行まで2~3週間ほどかかる
- SMSを受信できる電話番号、端末を準備する必要がある
忙しい事業主に寄り添う
サポート
補助金、助成金の申請に必要な事業計画書に関するご相談を無料で行っています。
作成に手が回らない、何を書いていいのかわからない、ぜひ一度お問い合わせください。